バイナリーオプションやFXに限った話ではありませんが、利益を上げる。つまり収入を得るという点において、切っても切れない存在が『税金』です。
日本でマイナンバー制度が出来てから、この税金に関するところは厳しくなりました。
バイナリーオプションやFXで得た利益の申告の仕方が分からない。
いくらの利益から払うの?損失の場合は?などをご紹介していきたいと思います。
バイナリーオプション・FXでの税金
バイナリーオプションやFXを一つの収入源として収入を得ていくことは良いことですが、バイナリーオプションやFXも立派な投資です。つまり、納税義務が発生することを忘れてはいけません。
現在ではスマートフォンから簡単に登録できるようになったことで身近になったことで税金に対する知識を持たず、初めてしまう方が増えた印象です。実際いくつかのお問合せでも『バイナリーやFXの税金ってどうしたらいいのですか?』という声はあります。また、実は間違った認識をしているということも少なくはないのでこれを機に再確認していきましょう。
バイナリーオプションやFXの場合、税金の制度は、株式投資などと少し異なる点があります。その点というのが取引を提供している業者が国内であるか、海外であるか?ということになります。つまり、
- 国内バイナリーオプション 国内FXであるか?
- 海外バイナリーオプション 海外FXであるか?
この点においては必ず知っておくべきポイントになります。何故、国内か、海外かを知る必要があるかというと税金の計算方法が異なります。
- 国内バイナリーオプションと国内FX・・・申告分離課税
- 海外バイナリーオプションと海外FX・・・総合課税
と税金の種別が異なりますので注意が必要です。
バイナリーオプション・FXにおける繰越控除
バイナリーオプションやFXのようにトレードを繰り返すトレード型の投資では、市場に参入してから安定して勝つようになるまでに時間がかかることがあります。中には数年間は損失から始まったが経験を得たり、コツを掴んだ瞬間かた利益に転じていくという方もいます。
つまり、場合によってはマイナスになる1年がある、または未来に起こる可能性があるというのがトレードの世界ではあります。そうなった場合、もしくは今年から大きな利益を生み出した場合などに過去の損失分を控除できる繰越控除というものがあります。
繰越控除の例)個人口座は3年間の繰越控除有
2年前:50万円の損失
1年前:50万円の損失
今年度:100万円の利益
100-50-50=0
となります。
繰越控除に関しては個人と法人で控除対象の期間が異なります。
- 個人口座での取引は3年間
- 法人口座での取引は9年間
法人では9年間控除されますので、年間の利益が数百万を越えるようになる場合、法人化することで税率を有利にすることが可能となる為、バイナリーオプションやFXでも法人化を視野に入れると良いでしょう。
また注意点になりますが、海外バイナリーオプション、海外FXの場合、総合課税となりますので繰越控除は対象外となります。
バイナリー・FXの経費
バイナリーオプションやFXといった投資においても、その取引を行うためにかかった費用は経費として、控除対象となります。きちんと領収書や科目の説明をする必要がありますが、説明することが出来るようになることで経費となりますので、しっかりと理解しておきましょう。
経費例:
- トレード用に購入したパソコン等の購入費用(趣味と併用の場合は使用割合での経費計上が可能)
- MT4等を稼働させるためのサーバー費用(VPSサーバー等を契約しているなど)
- 投資の勉強をする為に購入した本
- 投資活動で利用しているインターネット接続費
- 投資セミナーの料金や、ツールの購入代金
など、以上のように投資を行うために必要とされる費用は経費として申告可能になります。
国内バイナリーオプションと国内FXにおける税金
国内バイナリーオプションと国内FXの税金は申告分離課税としてその年の1月1日~12月31日まで分を翌年の2月16日~3月16日までの間に、自ら申告しなければいけません。(例年ですが、申告日は変更する可能性がありますので確認が必要)
税率は利益の20%で内訳は以下のように定められています。
- 所得税:15%
- 住民税:5%
ですが、3月11の東北地震復興特別税が15%の2.1%(0.315%)かかる為、震災特別税を考慮した利益の20.315%が税率として、自分で確定申告をする必要があります。
※東北地震復興特別税は2038年までかかります
申告分離課税の対象種類
大前提として、日本金融庁の許認可を受けている場合に限ります。種類は以下の通りです。
- 株式投資
- 先物取引
- オプション取引
- CFD取引
- FX取引(2011年までは店頭FXは総合課税)
これらの国内投資は申告分離課税となります。
海外バイナリーオプションと海外FXにおける税金
海外バイナリオプションと海外FXは総合課税として税務申告が必要となります。
総合課税は一般的に用いられる税金に当たるもので、総合課税における税率は収入(利益)により異なります。
以下で詳しく総合課税にお話します。
総合課税の対象種類
総合課税では所得に応じ税率が決まる累進課税制度による課税方法を示しております。
『儲ける額=所得額』が大きくなることで税率が上がるというのが総合課税です。
総合課税による所得の税率は以下の表の通りになります。
課税所得金額 | 税率 | 控除額 |
195万円以下 | 15% | 0円 |
195万円超~330万円以下 | 20% | 97,500円 |
330万円超~695万円以下 | 30% | 427,500円 |
695万円超~900万円以下 | 33% | 636,000円 |
900万円超~1,800万円以下 | 43% | 1,536,000円 |
1,800万円超 | 50% | 2,796,000円 |
控除額とは、所得から控除される金額となる為、控除額を考慮した金額が税金として納めなければいけない為
累進所得金額 × 税率 - 控除額 = 税金
が納めなければいけない金額となります。
また、総合課税は以下のような所得に課せられる税金になります。
- 事業所得
- 給与所得
- 不動産所得
- 雑所得
- 利子所得
- 一時所得
です。海外バイナリーオプションや海外FXはこの総合課税の内の『雑所得』として考慮されます。
また雑所得は、税金を支払う必要ある方とない方がいます。
雑所得を払う必要がある場合
- 給与年収が2,000万円を超えている方、自営業を営まれている方
- 給与年収が2,000万円未満で、雑所得が年間20万円を超える方
- 年間所得がない方で、雑所得合計が年間38万円を超える方
つまり、海外バイナリーオプションや海外FXでは
- 給与年収がある方で『雑所得』が20万円以下
- 給与年収がない方で『雑所得』が38万円以下
- そもそも、海外バイナリーオプション、海外FXで利益の無い方
は、税金を支払う必要はありません。
雑所得の対象と注意点
雑所得として考える主なものは以下のようになります。
- 海外バイナリーオプション
- 海外FX
- アフィリエイト
- ネットオークション
- 転売
などが挙げられます。つまり上記で雑所得を支払う必要がない場合であった時でも海外バイナリーや海外FX以外の雑所得の合計が条件を見たした場合支払う必要が出てきますのでご注意を!
例:海外バイナリー、海外FXで『利益15万』、ヤフーオークションやメルカリでの利益が『10万』となった場合、雑所得は『25万円』となる為、給与年収がある方は対象となります。
しかし、海外バイナリーオプションや海外FXで年間利益が100万円であっても、アフィリエイトで年間損失100万円であれば、雑所得が0円となりますので、この場合は支払い対象外になるといった点もあります。
国内と海外の損益を相殺することは出来ません。ご注意を!!
バイナリーオプションやFXを国内と海外を用途によって併用する方も多いと思います。その際の損益を相殺できるか?というお問合せもありますが、
国内と海外では上記にもあるように税金の申告方法、損益形状の方法が異なる性質を持つ為、国内FXで利益100万、海外バイナリーで損失100万という状況であっても損益0円と形状することは出来ません。
この場合であっても国内バイナリーオプション、国内FXは申告分離課税での計算、海外バイナリーオプション、海外FXは総合課税での計算となります。その為、併用されている方、併用をお考えの方は上記の点を理解したうえでお使い下さい。
複数の収入源がある場合や、計算方法が理解できない場合や経費の計算方法が分からない場合は、税理士等に早めに相談することをオススメします。