本記事では主に外国為替相場においてお話致しますが、金融商品において、多くの商品の相場では大きく分けると2つの相場に分かれます。

その二つの相場とはトレンド相場レンジ相場です。

 

相場と言うのは常に上下動をしているものですが、一定期間を一定感覚で上下することもあれば時には上昇方向に、時には下降方向に力が強くなるという性質もあります。

その二つの相場にもそれぞれ強弱があり常に相場というのは変動しますので2つの相場と言え単純なものではないですが、

テクニカル分析を有効にし、トレードスキルを上げていくには、必ず頭に入れておくべきでしょう。

 

ではそれぞれの相場がどのような特徴があるのかを見ていきましょう。

トレンド相場

上下動をする相場に対し大きな動きを見て、一定方向を目指して動くことがあります。

この一定方向に対して動いている相場を『トレンド相場』と言います。

上を目指す相場を上昇トレンド、下を目指す相場を下降トレンドといいます。

上昇トレンド


下降トレンド

相場の世界にある言葉の一つにトレンド・イズ・フレンドという言葉があります。

 

トレンドは日本語で『流行り・流行』といった意味がありますが、

流行りや流行を友と呼ぶというぐらいですから、ここでの意味は

『トレンドに逆らわず、トレンドに乗ろう』というようなニュアンスでしょう。

 

ちなみにですが、この言葉はアメリカの投資家ジョージ・ソロスが言った言葉です。

 

トレンド相場では上昇トレンド、下降トレンドに関係なく一方向に動きやすいという性質から

トレンドの流れに沿った順張りがセオリーとされます。手法としてトレンドの終わりから転換を狙う逆張りという手法もありますが、

初心者には少々難易度が高い為、順張りがオススメでしょう。

 

しかし、トレンドが発生するのは気まぐれなようなもので、

トレンドが発生するであろうといった見切り発車を初心者がしてしまうと

逆方向にトレンドが発生してしまう可能性もあるので

トレンドが発生し、方向性が固まったところで流れに乗るというのがいいでしょう。

 

レンジ相場

レンジ相場はトレンド相場ではない相場のことを言います。

一定のレートの中で価格変動をしている相場とも言えます。

 

レンジ相場

 

このように特定の幅の中で上下を繰り返し、大きく上に向かうことや下に向かうということのない相場です。

レンジと言われる由縁はレンジという言葉の意味は、範囲、幅、域といった意味を持つためでしょう。

一定の範囲の中で動く相場と言えば解釈もしやすいでしょうか。

レンジ相場は性質から揉み合い相場や持ち合い相場と呼ばれることもあります。

 

上下動はあるものの、特定の範囲から出ないという特性を生かし、

との上下動の上端で売りエントリー、下端で買いエントリーいった動きに対する逆のエントリーである

逆張りを手法とした、スキャルピングやデイトレードをするトレーダーもいます。

 

しかし難易度は少々高めなので初心者には向かないでしょう。

トレンドとレンジの見分け方

トレンドとレンジを見分ける方法としては、まず相場のほとんどがレンジ相場であるということを知ることでしょう。

トレンド相場とレンジ相場の割合は3:7程度と言われるぐらいで、ほとんどがレンジ相場であると言えます。

 

つまり、前提としてレンジと思ってみていれば、ある一定の方向に動き出す時や動いている部分が目立つようになりますので

『ここからここまではトレンドかな』いうおおよその判断は出来るようになります。

またトレンド相場がわかるようになれば、その反対にレンジ相場もわかるようになりますので

双方からトレンドとレンジを見極めるといいでしょう。

 

また見分ける際の根拠が欲しい場合は、テクニカル分析でも使う、移動平均線やボリンジャーバンドといったテクニカル分析が良いでしょう。

例として以下に移動平均線を用いた

レンジ相場とトレンド相場を掲載しておきます。

レンジ相場での移動平均線

2つの期間(20、50)の移動平均線が並ばず揉み合いを続けているのが見れとれる。

 

トレンド相場での移動平均線

2つの期間(20、50)の移動平均線が一方向に平行に動く

※トレンドであっても短期線が長期戦を交差することはあります。

時間足で異なるトレンド相場とレンジ相場

一時間足レンジ相場


水色の区間を15分足で見ると以下のようになる

15分足修正

短い期間ではトレンドになっている。

 

実はこのように自分の基準とする時間足に対し、上位足、下位足では

時間が異なるが故にレンジ相場の中でもトレンドがあったり、トレンド相場の中にレンジがあったりする。

基本的には下位足は上位足に引っ張られる為

自分の基準とする時間足の上位足を確認し、

今がどのような相場なのか?を確認することで取引をより優位に進めることは出来るでしょう。

 

このような確認を『環境認識』といいますが

トレンドとレンジの見分けがつくようになれば環境認識をマスターしておくといいでしょう。

 

まとめ

〇トレンドとレンジは3:7
〇見極めは特別難しい訳ではない
〇見極めの根拠はトレンド系指標を使おう
〇高値と高値、安値と安値を積極的のに結んでみる

上記点を意識し、『こうなるとレンジ相場からトレンド相場になる』といったことや

『レンジ相場の終わりには何かの予兆がある』などといった相場の癖が見えてくるようになります。

 

より良いトレードの為にもトレンド相場とレンジ相場の違いは確実に覚えよう。