カジノやギャンブルが好きな人であれば一度は聞いたことのある『マーチンゲール法』

マーチンゲール法は2分の1の確率の取引において有効とされ、カジノ以外にもFXやバイナリー、株式取引等の金融商品に用いられる取引方法です。

潤沢な資金を無限に突っ込むイメージからも『勝つまで辞めない法』と呼ばれることもあります。

マーチンゲール法とは?

そもそもマーチンゲール法とは一体なんなのか?となりますが、簡略化して言いますと以下の2点となります。

①負けたら次の取引は前回投資金額を倍掛けして取引
例)負け➡2倍、4倍、8倍、16倍、32倍・・・・・

②勝つまで①を繰り返し、勝てば初期投資金額に戻す。
勝つまで辞めないからまさに『勝つまで辞めない法』。倍掛けの取引をする為勝った時点でそれまでの損失は全て取り返すことが出来る。

マーチンゲールはローリスクハイリターン!

勝つまで掛け続けるという意味で言えば必勝法とも言える魅力的な攻略法ですが、資金が切れ倍掛けが出来ない状況になった時に大きな損失を生む可能性はあります。

また如何なる状況であっても初回掛け金分の利益しか生まれないという点がありますので、マーチンゲール法は必勝法にも見えるがハイリスク・ローリターンであることがわかります。

実際に掛け金とリターンを想定した表を以下に記載しておきます。

分かりやすい計算にする為、初回掛け金を1、リターン倍率は2倍で計算します。

回数 投資金 累計投資金 払い戻し 収支
1 1 2 +1
2 3 4 +1
4 7 8 +1
8 15 16 +1
16 31 32 +1
32 63 64 +1
64 127 128 +1
128 255 256 +1
256 511 512 +1
10 512 1023 1024 +1

マーチンゲールがハイリスク・ローリターンであるというのは実際に表を見ることでお分かり頂いたと思います。

上記の表で言えば『累計投資金』が掛け金としてのリスクになります。試行回数が増えるにつれ倍増していくリスクに対し、収支リターンは一定ですので、試行回数の少ないうちは有効でも、増えれば増えるほど、リスクの増加と資金が尽きないか?という資金力も必要になります。

また実際に期待値が50%の取引であると仮定した場合の勝ちと負けの確率は以下のようになります。

取引回数 勝つ確率 負ける確率
50.00% 50.00%
75.00% 25.00%
87.50% 12.50%
93.75% 6.25%
96.87% 3.13%
98.44% 1.56%
99.22% 0.78%
99.61% 0.39%
99.80% 0.20%
10 99.90% 0.10%

期待値が50%であるのであれば4~5回までに収まる確率は高そうです。しかしどこまで行っても負ける確率は0ではないので奇跡的な確率に出会うとこで損失が大きくなることは決して忘れてはいけません。

バイナリーオプションでマーチンゲール法を行う注意点

マーチンゲール法については上記を読んで頂ければどういったものかの理解できたと思いますが、実際にバイナリーオプションでマーチンゲール法を用いる場合は以下の数点に気を付けなければいけません。

  1. 投資金額上限による回数制限
  2. ペイアウト率に関する取引種別の制限
  3. そもそも為替市場の期待値は50%あるのか

この数点の問題をきちんと理解しなければただただ損失を広げる方法でしかありません。

投資金額上限による回数制限

潤沢な資金があればある種勝つまで勝負できるマーチンゲール法ですが、バイナリーオプション業者もこういった点は理解しているはずでしょう。そうで在るか否かは不明ですが、実際にバイナリーオプション業者では1回の取引金額に上限が設定されているのです。

幣サイトでの紹介や筆者が実際に利用している『ハイローオーストラリア』では1ポジション20万という制限があります。その他の業者では5万~10万といった業者が多いです。

その点を踏まえ、先ほどの表から考えると以下の表が考えられます。

回数 金額 金額 金額 金額
1 1000 3000 5000 7000
2 2000 6000 10000 14000
3 4000 12000 20000 28000
4 8000 24000 40000 56000
5 16000 48000 80000 112000
6 32000 96000 160000
7 64000 182000
8 128000

1000円~10000円(9000円は無)を赤字にしています。スタートそこから回数を考慮すれば、最大で8回が限度で元金が上がれば回数は減ります。

1000円からスタートすれば回数は多く出来ますが利益は少ないです。かと言ってスタート金額を上げると掛け金上限による強制リタイアを余儀なくされます。

例えばですが、10,000円からスタートした場合、5回目が負けた場合は強制リタイアであり、その時の損失は31万となりますので、取り返すまでに31回の勝利が必要になります。

つまり一度でも失敗した場合31勝分の勝ちを失うことに等しいということになります。

ここで冷静に考えれば、5回目で勝つ確率は96.87%、負ける確率が3.13%であることを考えればどうなるか・・・

極々微小であるが増える。みたいな感じですね。

ペイアウト率に関する制限

ここはバイナリーオプションでマーチンゲール法を用いる場合においてかなり重要になる点ですが、ペイアウト率が2.0倍以上の取引でないとマーチンゲール法が有効にならない。

という落とし穴があります。またバイナリーオプションにおいて2.0倍以上を誇る取引に関しては何かしらの条件がある場合が多いのです。

一番多いのはスプレットが設けられるパターンです。実際に当サイトでも紹介させて頂いている『ハイローオーストラリア』や『ザ・オプション』でも2.0倍の取引がありますが、スプレッド取引のペイアウト率になります。
※スプレッド取引に関しての記事はこちら『ハイロ―オーストラリア・スプレッド取引

なお、『ハイローオーストラリア』や『ザ・オプション』における通常取引のペイアウト率は約1.8倍~1.9倍になります。この場合においては一回辺りの取引において0.1倍~0.2倍の手数料があると考えることが出来ますので通常取引におけるマーチンゲールでの収支は以下のようになることが考えられます。

1.8倍の場合

回数 投資金額 累計金額 払い戻し 収支
1 1000 1000 1800 +800
2 2000 3000 3600 +600
3 4000 7000 7200 +200
4 8000 15000 14400 -600
5 16000 31000 28800 -2200

1.9倍の場合

回数 投資金額 累計金額 払い戻し 収支
1 1000 1000 1900 +900
2 2000 3000 3800 +800
3 4000 7000 7600 +600
4 8000 15000 15200 +200
5 16000 31000 30400 -600

上記、表のように2倍以下の取引であれば一回当たり収支が1倍以下になる為、回数を増すごとに利益としてのリターンは減り、特定の回数からはマイナスに転じることを意味します。

つまり、2.0倍以下でのマーチンゲールはハイリスクでしかないということはわかりますので、スプレッド取引以外では使用しないほうが良いと考える。もしくはマーチンゲール使用回数の制限を設けない限りは資金が減る一歩であると考えるべきでしょう。

為替の期待値は50%であるのか

為替取引(FXやバイナリーオプション)においての売買の成功は良く、上がるか、下がるか?と言われますし、実際は上下を繰り返しているのであながち間違えではありませんが、だからと言ってその期待値が50%であるということは同じ意味を示すとは限りません。

分かりやすくいくつかの例を上げると

  • カジノでのルーレットの赤か黒
  • バカラに親か子
  • ブラックジャック
  • トランプのハイロー

と世間一般に2分の1に例えられるギャンブルですが、ルーレットには0や00という緑枠がありますし、バカラ、ブラックジャック、ハイローにおいてはドローなどがあります。

つまり、ギャンブルや取引における世界では限りなく50%に見えることはあっても実際は50%以下であることが良くあるということです。

現に為替取引や金融商品によるレートの変動がある世界では、大きく分けると陰線・陽線・同時線と呼ばれるローソク足が存在します。
※ローソク足についてはこちら➡『ローソク足について

この時点で上がるか・下がるか・動かないか?という選択肢があります。また相場にはトレンド相場(上昇トレンド・下降トレンド)・レンジ相場とありますので、エントリーシーンにより期待値が常に変動していると考えれます。

こういったことを理解した上でマーチンゲールを用いるか用いらないかを決める方がよろしいでしょう。

バイナリーオプションでのマーチンゲール法まとめ

バイナリーオプションでバイナリーが必勝方法になりうるかどうかに関しては、正直いうと人それぞれと言えるでしょう。

実際に取引するバイナリー業者により、エントリー金額の上限や、ペイアウト率の変動があったりします。

この時点でそもそもバイナリーオプションでのマーチンゲール法には『制限がある』前提になります。

 

こういった制限を考慮した上での結論は、

『必勝法とは言い難いが特定の条件と、自分の取引スタイルを考慮することで必勝法に近づけることは可能』

と言えるでしょう。