単純移動平均線(以下:移動平均線)は株式相場、外国為替相場、金相場、仮想通貨相場など金融商品の動きを一つの流れとして捉えることができる、テクニカル分析の一つです。
期間ごとの流れを見ることもできる為、非常に多くのトレーダーに用いられます。
移動平均線(MA)とは?
移動平均線(MA : Moving Average)とは、一定期間nの平均価格を計算し、その値を線でつないだものです。
また計算する基準となる値は始値、終値、高値、安値とあり、最も多く用いられるのが終値で計算された移動平均線になります。
移動平均線は設定する期間によって短期、中期、長期と分けることができ、各期間を組み合わせることにより
様々な見方ができる特徴もあります。
例として取引ができる平日5日間を基準に
短期5日(一週間)、中期25日(一か月)、長期75日(三カ月)
といった使い方があります。
計算式
移動平均線は以下の計算式より求められます。
$$ 移動平均線(n) =\frac{(C1+C2+C3+C4+…+Cn)}{n}$$
Cn=n-1日前の価格
C1=当日価格(C1-1=C)
見方・使い方
移動平均線は主に以下のような使い方をします。
〇トレンド(方向性)の確認、明確化
相場変動を表すことにより、相場の方向性、流れが明確になり、上昇トレンド、下降トレンドの確認が出来ます。
また、もみ合い相場においては移動平均線も横一線となることもあるのでそういった際は動きがないことも確認することができます。
〇支持線と抵抗線(サポートとレジスタンス)
移動平均線は、上昇トレンド中は支持線(サポート)、下降トレンド中は抵抗線(レジスタンス)として作用する特性があります。
グランビルの法則
1960年代にジョセフ・グランビル氏が考案した、移動平均線を活用したテクニカル分析。
主に短期、長期や中期、長期など二本以上の移動平均線を用いた際に使われる分析となります。
グランビルの法則では以下のような場合に売買のタイミングとします。
〇買いシグナル
1、長期線が長期下降から横這い(上昇)している状況で、短期線(中期線)が長期線を上抜きした時。(ゴールデンクロス)
2、長期線が上昇中に、短期線(中期線)が長期線を下回った時。
3、長期線が上昇中に、短期線(中期線)が長期戦に向かって下降してきたが、長期線を下回ることなく再度上昇に転じた時。
4、長期線が下降中に短期線(中期線)が大きくかけ離れて下降している時。
〇売りシグナル
1、長期線が長期上昇から横這い(下降)している状況で、短期線(中期線)が長期線を下抜きした時。(デッドクロス)
2、長期線が下降中に、短期線(中期線)が長期線を上回った時。
3、長期線が下降中に、短期線(中期線)が長期戦に向かって上昇してきたが、長期線を上回ることなく再度下降に転じた時。
4、長期線が上昇中に短期線(中期線)が大きくかけ離れて上昇している時。
よく使われる期間・組み合わせ
移動平均線について理解が出来ても結局どの期間や、どの組み合わせがいいの?
と悩む人は多いと思います。その為よく使われる期間や組み合わせを
足別と期間別の2つを以下にまとめておきます。
足種別、移動平均線の使用期間例
足種 | 期間 |
日足 | 5,10,20,21,25,50,75,100,200等 |
週足 | 13,26,52等 |
月足 | 12,24,60等 |
期間組み合わせ例
期間 | 組み合わせ |
短期 | [5 . 10 . 25] [5 . 20 . 40] |
中期 | [5.25.75][20.40.200][25.75.200] |
長期 | [13 . 26 . 52] |
※注意点
ここでは日足をベースとした話が多いですが、移動平均線の期間は足によって意味が異なります。
例えば、実際にパラメーターをセットした際に
5とすれば、日足では5日間の平均値ですが、5分足であれば25分の平均値となります。
全て日足が基準となる訳ではないので注意してください。
実際のパラメーター(MT4)
期 間:設定したい期間を入力
表示移動:基本は0で問題ないです。※1
種 別:単純移動平均線はSimple
適用価格:計算する基準を決めます。※2
※1:変位移動平均線を使用の場合は先行させたい期間Nを入力
※2:終値(close)、始値(open)、高値(High)、安値(Low)